watさんの公開講座に行ってきた。|すたしょ日記
- 2009年10月24日(土)
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watさんの公開講座に行ってきた。
拓殖大学で開催された公開講座「バーチャルアイドル「初音ミク」に息吹を与えたものは」に行ってきました。講師はクリプトン社のwatさんこと佐々木 渉さん。
イベント・ライヴではちょくちょく大学に行ってますが、講義に行くなんて前世紀以来ですよw メモではなくノートを取るのも久しぶり。
定員240名で、どのくらいの人が来るのかまったく見当が付かなかったので、早めに到着しましたが、最終的には部屋が半分以上埋まる程度の参加。ちょうどいい混み具合でした。
どこまで書いていいのか見当が付きませんが、ノートに書いたのを適当に箇条書きしてみます。今までインタビュー記事等で知っている情報も多かったものの、初耳のことも結構多かったような。講座だけあってじっくりとボカロ自体についての話が聞けました。
- 会場中、初音ミクの声を聞いたことない人は100人中3~4人(そりゃそうだ)
- クリプトン社についての簡単な歴史。15年前はジュリアナ東京などにコーラスの素材提供もしてたとか。
- ミクが、メインボーカルを張れる初のソフト。リアルタイム合成も初。子音を先読みして再生するのがPCならではの特徴。
初音ミクムーブメント
- watさんはボーカロイドの録音担当。素材の加工・作り込みは社内で4人ぐらいが分担。
- 携帯の着信音も手がける。シャープ製の携帯はクリプトン社が音素材を提供しているとか。
- 英語ボカロは日本語の2.5倍の労力がかかる。今は作ってないが、将来につながる経験。
初音ミク成功の理由は・・・
- わかりやすいキャラ設定。
- DTMは狭い業界のため、ヒット商品でも全世界で10000までいかない。日本では、中田ヤスタカらが使っているようなサンプリングソフトでも500以下(ただし、普及具合となぜか計算が合わないww
- ソフトは、一定以上の音質が実現すると、それ以上の新規開発が不要になってしまう→人間の声に(企業としての)将来の可能性を見いだす。
- 従来から女声ソフトはあったが、元のタレントの権利・イメージを守るために契約書が厳しかったが、ボーカロイドはその辺が緩かった。ヤマハは「歌なら多少Hな表現でも仕方ない」と寛容だった。
- 1980年代からのDTMユーザーによる、歌入り楽曲の蓄積があった(ミクがなかったら世に出ることはなかった)
- 企業のCM等に依存しない広がり。
- ボカロPであれば、何らかの方法で還元できるが、ボカロ普及に大きな役割を果たしているランキング制作者等の裏方の功労者に、何らかの支援・支えが出来ないものか。無償で今後何年も続けてほしいとは言えない。
ボカロの強み・弱み
- ボカロは一定の品質でプロデュースしやすい。
- 高音のキーでも難なく出せる(かつて、人間で同じような高い声で歌ってもらったら、次の日に声が出なくなって、スタジオ代がムダになったとかw
- 「何を考えてるのかわからない天然の女の子」
- 同じ「初音ミク」でもPによって全然曲が違う。
商品化・セールス等
- 初音ミクは5万、鏡音リン・レンは2.5万、巡音ルカは1.3万。MEIKO、KAITOは共に5000。ただし、ミク以前のKAITOは「出荷ベースで」500本(店頭に残っているのも含め、ということ)。しかもそのうち優待が138本だったとかw
- 参考までに、EZ DRUMMERが8000、ギター系2000、ドイツのカンター(コーラス)はわずか50本。
- 3日で完売した「DTMマガジン」2007年11月号は、初の萌えキャラ表紙のため社内会議で大揉めに揉めたとか。
- ねんどろいどは1日半で1万の予約。現在は10万。ねんどろいどぷちは予約で50万体!(売れすぎww
- 「あん時断っておけば良かった」「DTMerに愛想を尽かされるとこもなかったのに」と後悔することもしばしば。
- フィギュアが決まるまでは毎日のようにセールスのメールが届いていた。
- ひとつの商品化が決まると、同業他社がさっと引いていくw
- SEGAプライズは史上最大の売り上げ。
- 書籍は重要な作品の露出手段
- レースはどうでもいいw
- ゲーム化は、楽曲ベスト盤のゲーム版みたいなもの。
- ゲームは20万の売り上げ。途中2度ほど企画が大きく変わる。
- ゲームは、ストーリーモードがあったが、3ヶ月前に取りやめになった。
- これらの作業の過程で様々な歪みが生じてしまい(大々的に注目されるはずだったストーリー作者が日の目を見ることもなくなってしまった)、非常に申し訳なく思う。各所に謝って回ったら半月以上掛かりそう。
- 商品化会議の話を録音して表に出したらクリプトン社吹っ飛ぶよw
今後の展開など(質疑応答)
- 幼女ボーカロイドの製品化。中の人は7歳(ここで、そのボカロが歌う「ぽにょ」のデモが流れる。かなり自然な歌声で、普通の女児が歌ってるよう。若干リンのような雰囲気もあるが。)
- 初音ミクの開発は2007年2~3月頃からスタート。当初は6月下旬予定だったが、音量を上げるとバランスが崩れる不具合のため2ヶ月遅れ。
2時間では余るかなと思ったらあっという間。時間がなくなって男性ボカロについては聞けずじまいだったのがちょっと残念。
帰りに秋葉原に寄ってボカロCD買ってきました。エンタ祭り抽選券もらいましたが、抽選で20分並んでもらったのはハンバーガー割引券3枚orz
2009-10-28追記
- いわゆる「幼女ボカロ」のデモがさっそくYouTubeにきています。
新企画名は「Project if...」となるようですね。歌声に衝撃なのはもちろんでしたが、この曲のサビ以外をほとんど聞いたことがなかったので、その意味でも新鮮でしたw
- [VOCALOID情報]新展開「Project if...」はじめます。:メディアファージ事業部 ブログ
- [VOCALOID2情報] 「Project if...」についての余談と、講演に関するお詫び:メディアファージ事業部 ブログ
この公開講座についても触れられています。初音ミクの様々な展開について写真を使って説明された中で、CD化、書籍、プライズなどの展開のひとつとして、レースカーの写真もありました。レースはどーでもいいwという発言も確かにありましたが、軽く笑いを取りに来たな~という程度の印象だったことを付け加えておきます。
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コメント一覧
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イラストのような仮想世界における外観の設定がなければ
どうなっていたでしょうか?つまり、純粋に音だけで勝負したなら
どれぐらい売れていたでしょうか?なぜ人は音楽に魅力を感じるのかを考えている人間として、
非常に興味があります。 -
当初はあまり売れなかったかも知れませんね。
ただ、ミク以前のMEIKOでは既に数千本売れて、素地は既にあったので、じわじわと拡がっていった可能性はあると思います。
私自身も、最初に衝撃を受けたのはあくまで歌声でしたから。ちょうどニコニコ動画の盛り上がりもありましたし、ユーザーが(例えば東方とかの)キャラクターを勝手に設定していった可能性もあると思います。
そうなると、今よりもかえって利用制限とか難しくなっていたかな?
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もっとも、ミクはキャラクターあっての声ですから、キャラクター設定がなかったら声自体が違っていたでしょうね。